イーサリアム リップル どっち? 2025年版の徹底比較ガイド

イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)、どちらを選べばいいのか迷っている初心者の方は多いと思います。

どちらを選べば良いのか迷いますよね。
実はこの2つの通貨は、目的や仕組みがまったく異なる別物です。
どちらも将来性のある有望な暗号資産ですが、大切なのは自分の投資目的やスタイルに合っているかどうかです。
この記事では、イーサリアム、リップルに関しての基本的な違いから、どちらが自分に向いているかを判断できるよう簡潔に解説していきます。

イーサリアムとリップルの基本的な違い
暗号資産を始めたばかりの方なら、必ず気になるポイントだと思います。
まず結論ですが、イーサリアムとリップルは、設計の目的が根本から違います。
このポイントを押さえるだけで、どちらを選ぶべきか判断しやすくなります。
- イーサリアムは「何でもできる土台」
- リップルは「送金に特化した道具」

ここからは、日常の道具に例えてイメージしやすくしていきますね。
イーサリアムはスマートフォンに近い存在です。
スマホは電話が本来の役割ですが、アプリを入れれば写真も撮れるし、動画も見られるし、SNSもできます。
使い方がどんどん広がりますよね。
利用の幅が広いことが強みです。
一方、リップルは電卓のようなポジションです。
電卓は計算しかできませんが、その分スピードも精度も抜群です。
目的がシンプルだからこそ、送金が速く、手数料も驚くほど安く抑えられるわけです。
ここからは、両者の特徴をもう少しだけ具体的にまとめます。
- スマートコントラクトの実行:飛行機が2時間以上遅れたら、自動で保険金が振り込まれる仕組みを作れます。
- DeFi(分散型金融)の利用:銀行を使わず、アプリだけで資産を貸し出して利息を受け取れます。
- NFTの売買:デジタルアートやゲームアイテムを「本物」と証明した上で取引できます。
- dAppsの利用:管理者がいない取引所(Uniswap)や、デジタルフリマ(OpenSea)を使えます。
- 超高速の国際送金:日本からアメリカへ100ドルを送っても、数秒で着金します。
- 超低コストの送金:銀行では数千円かかる手数料が、リップルならほぼゼロです。
- 異なる通貨の両替:日本円からドル、さらにユーロといった複雑な両替も一瞬で完了します。
ここまで読んで、「なぜここまで違いがあるのか」と感じたかもしれません。
この根本的な設計の差を理解しておくと、次に出てくる目的や速度、手数料、技術、用途の違いもすっきり理解できるようになります。
目的の違い
| 比較項目 | イーサリアム | リップル |
| 開発目的 | 契約やアプリ、組織を自動化する分散型プラットフォーム | 国際送金と通貨交換を高速・低コストにする金融インフラ |
| 創業者 | ヴィタリック・ブテリン | ライアン・フッガー/クリス・ラーセン/ジェド・マケーレブ |
| 生まれた年 | 2015年 | 2012年 |
| 解決したい問題 | ビットコインは送金しかできず、ブロックチェーンの可能性を活かしきれていない | 国際送金に日数と高額手数料がかかる非効率な仕組み |
| 主なビジョン | 保険・融資・不動産・投票など、あらゆる仕組みをブロックチェーン上で自動化する | お金もメールのように一瞬・ほぼゼロ手数料で世界中に送れるようにする |
イーサリアムとリップルが大きく違うのは、そもそも「どんな問題を解決したかったか」が違うからです。
開発者のゴールが違えば、設計もまったく変わってきます。
ヴィタリックはビットコインを研究する中で、次のような限界に気づきます。
「ビットコインは革命的だけど、送金しかできない。これではブロックチェーンの可能性を十分に活かせていないのではないか」
そこで彼が思い描いたのは、こんな未来です。
「ブロックチェーンは、お金を送るだけの道具ではない。
あらゆる契約、アプリケーション、組織を、中央管理者なしで動かせる技術にできる。
保険や融資、不動産取引、投票など、あらゆる仕組みをブロックチェーン上で自動化できるようなプラットフォームを作りたい」
イーサリアムは、ただの通貨ではありません。
スマートコントラクトという自動実行プログラムを使って、分散型アプリケーション(dApps)を動かす「土台」を提供しているところが大きな特徴といえます。
その流れを受けて、クリス・ラーセン氏とジェド・マケーレブ氏たちは、「国際送金システムの問題」と正面から向き合います。
彼らが感じていた違和感は、こんなものです。
「なぜ21世紀なのに、お金を送るのに3〜5日もかかるのか?
なぜ手数料が数千円も必要なのか?
メールは一瞬で届くのに、どうしてお金はそうならないのか?」
そこで彼らは、次のようなゴールを設定しました。
「メールがインターネットで一瞬で届くように、お金もインターネットで一瞬で届くべきだ。
しかも、手数料はほぼゼロで、透明で、誰でも使えるシステムを作ろう」
リップルは、
- 超高速な国際送金
- 超低コストな送金
- 異なる通貨間の両替
といった「金融インフラ」に特化した設計になっている資産です。
というように、解決したい問題が違うからこそ、仕組みもまったく別物になっているのです。
取引速度の違い
| 比較項目 | イーサリアム | リップル |
| 取引完了までの時間 | 約12秒 | 約4秒 |
| 1秒あたりの処理能力 | 約15~30秒トランザクション/秒 | 1,500件以上/秒 |
| 取引確定までの目安 | 複数ブロック承認が必要で数分かかることがある | 約4秒で支払い処理が完了 |
| 速度に対する考え方 | 速度・安全性・処理の複雑さのバランスを重視 | 送金に特化し、承認者を絞ることで超高速処理を実現 |
暗号資産を使うとき、「どれくらいの速さで取引が完了するか」はとても重要です。

とくに、実際にお金を送ったり、買い物に使ったりする場面では、待たされるとストレスになりますよね。
たとえば、あなたが「友達に1万円分のETHを送る」とします。
このとき、その取引内容はブロックチェーンという大きな“記録帳”に書き込まれます。
この書き込みが終わったとき、はじめて「取引が確定した」とみなされます。
この「記録が完了するまでの時間」が、いわゆる取引速度です。
コンビニのレジに例えてみると、次のようなイメージになります。
- 従来の銀行送金→店員さんが手作業でお釣りを数え、レシートも手書き→ 待ち時間:3〜5日
- ビットコイン→古いレジで、1件ずつゆっくり処理→ 待ち時間:約10分
- イーサリアム→最新のセルフレジでバーコードをピッと読み取り、自動処理→ 待ち時間:約12秒
- リップル→SuicaやPayPayのようなタッチ決済→ 待ち時間:約4秒
この例からも分かるように、リップルはイーサリアムの約3倍ほど速く処理できる決済システムだといえます。
また、「TPS(トランザクション毎秒)」と呼ばれる処理能力にも差があります。
TPS(トランザクション毎秒)とは、システムやネットワークが1秒間に処理できるトランザクション(取引や処理の単位)の数を示す性能指標
ネットワークの処理能力や速度を評価するうえで重要な基準となっており、TPSの数値が高いほど、多くの取引をより迅速に処理できることを意味します。
イーサリアムの取引速度は、1秒あたり15~30件のトランザクションを処理できます。
1件の取引が完全に確認されるまでには、複数ブロックの承認が必要で、数分かかることがあります。

それでも、ビットコインの約10分と比べると、十分実用的な速さといえるんだよ。
一方、リップルの取引速度は、1秒あたり1,500件以上のトランザクションを処理でき、わずか4秒で支払い処理が完了します。
イーサリアムと比べると、理論上は約100倍近い処理能力がある計算になります。
リップルがここまで速い理由は、
- 処理内容を「送金」に絞っていること
- リップル社が認めた特定の検証者(バリデーター)のみが承認に参加すること
といった設計にあります。
イーサリアムは複雑なスマートコントラクトを実行する必要があるため、1件ずつ慎重に確認する設計になっています。
速度・安全性・処理の複雑さのバランスを取った結果として、現在の処理時間になっていると考えられます。
取引手数料の違い
| 比較項目 | イーサリアム | リップル |
| 1回あたりの手数料 | 約200~500円/回 | 約0.05~0.1円/回 |
| 手数料水準 | スマートコントラクトなど複雑な処理が多く、数百円程度と高くなりやすい | 約0.00001XRP/回と極めて低く、ほぼ無料に近い水準 |
| コスト削減の工夫 | Layer2(Arbitrum・Optimism・Polygon・Baseなど)を活用し、手数料を約90~99%削減しつつ高速化 | 処理を「送金」に特化し、シンプルな設計と最小手数料ルールで、もともと超低コストを実現している |
暗号資産を使うとき、もう1つ気になるのが「手数料」です。
ここでは、イーサリアムとリップルの手数料の違いを、できるだけシンプルに見ていきます。
暗号資産で送金や取引を行うとき、その記録をブロックチェーンに残します。
このネットワークを維持し、取引を検証してくれているのが、マイナーや検証者(バリデーター)です。
彼らへの報酬として支払うお金が、「取引手数料」になります。
日常生活で例えるなら、イメージしやすいように、高速道路の料金に例えてみます。
- 従来の銀行送金→ 高速道路の料金所で、現金で3,000円を支払うイメージ
- イーサリアム→ ETCで200〜500円を自動支払い(混雑時は1,000円以上になることも)
- リップル→ ETCで0.1円を支払うような感覚(ほぼ無料に近い金額)
このイメージからも分かるとおり、リップルはイーサリアムの約1,000分の1〜1万分の1程度の手数料で済むことが多いです。
それに対し、リップルの手数料は非常に低く、1回の操作あたり約0.00001 XRP(セントの一部分)とされています。
これは、リップルが掲げている「迅速で低コストな国際送金」という設計思想を、そのまま反映したしくみです。
身近な例として、コンビニATMをイメージしてみましょう。
- 時間外に他行口座から引き出す場合の手数料→ 約220〜330円/回
- イーサリアム→ ATM手数料とほぼ同じくらい(200〜500円程度)
- リップル→ ATM手数料の約2,000〜6,000分の1(0.05円前後)
つまり、リップルなら「ATM手数料1回分で2,000〜6,000回送金できる」計算になります。
ここまで聞くと、「じゃあ、イーサリアムの手数料って高すぎるのでは?」と感じるかもしれません。

しかし、イーサリアムの手数料が高くなりやすいのは、「できること」が多いからなんだよ。
イーサリアムでできて、リップルではできないことの例は次のとおりです。
- スマートコントラクト(自動契約)の実行
- DeFi(分散型金融)での融資・借入・運用
- NFTの作成・売買・転送
- dApps(分散型アプリ)の運用
- DAO(分散型組織)の管理・運営
こうした高度で複雑な処理には、多くの計算リソースが必要になります。
そのぶん、手数料が高くなるのは、ある意味「必要なコスト」ともいえます。
一方、リップルは「送金」というシンプルな処理に特化しているため、手数料を極限まで下げられるわけです。

とはいえ、イーサリアム側も何もしていないわけではないんだよ。
2023年以降、「Layer 2(レイヤー2)」と呼ばれる技術が広く使われるようになりました。
レイヤー2とは、イーサリアムなどの基本的なネットワーク(レイヤー1)の上に構築される、別の補助的なネットワークのこと
イメージとしては、次のような関係になります。
- イーサリアム本体(レイヤー1)→ 一般道(安全だが混雑しやすく、コストも高め)
- Layer 2→ 高速道路(速くて安く、しかも安全性は維持)
Layer 2チェーンを使うことで、
- 手数料をレイヤー1の約10分の1程度まで抑えつつ
- セキュリティは維持したまま運用する
といったことが可能になります。
Layer 2の主な効果は次のとおりです。
- 手数料が約90〜99%削減
- 取引処理速度が数百倍に向上
代表的なLayer 2としては、
- Arbitrum(アービトラム)
- Optimism(オプティミズム)
- Polygon(ポリゴン)
- Base(ベース)
などがあります。
技術仕様の違い
| 比較項目 | イーサリアム | リップル |
| 中核技術 | スマートコントラクトとEVMによる自動実行プラットフォーム | 分散型台帳による送金ネットワーク |
| 現在の合意形式方式 | PoS(プルーフ・オブ・ステーク) | PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス) |
| 参加方法 | ETHをステーキングしてバリデーターとして参加し、報酬を得る | リップル社が認めた特定の組織のみがバリデーターとして承認に参加 |
イーサリアムの一番の魅力は、「スマートコントラクト」という仕組みにあります。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上であらかじめ定められたルール(契約内容)に従い、特定の条件が満たされたときに自動で処理が実行される仕組みのこと
たとえば、「商品が届いたら、代金を支払う」という条件をコードで設定しておくと、商品が届いたタイミングで自動的に支払いが完了します。
まさに、“if(もし〜なら)then(〜する)”のロジックをそのままお金や契約に適用したイメージです。
この処理を実際に実行しているのが、イーサリアムの中核となる EVM(イーサリアム・バーチャル・マシン) になります。
スマートコントラクトには、大きく3つのメリットがあります。
スマートコントラクトは、よく「自動販売機」にたとえられます。
決められた金額を入れると、誰にも頼らず商品が出てきますよね。
これと同じで、「条件を満たせば、自動で処理が完了する」というのが基本的な考え方です。
すでにこの仕組みは、さまざまな分野で実用化が進んでいます。
- 保険金の自動支払い
- 音楽の著作権料の即時分配
- 不動産取引の効率化
こうした事例が増えるにつれ、スマートコントラクトは「イーサリアムを支える中核技術」としてますます重要になっています。
一方、リップルの大きな特徴は、「分散型台帳」の仕組みにあります。
分散型台帳とは、中央の管理者を置かずに、ネットワーク上の複数の参加者が同じデータを共有し、同期しながら管理する技術のこと
ブロックチェーンを理解するには、まず「台帳」という概念を押さえておくと分かりやすくなります。
台帳とは、簡潔に言うと、「取引や記録を書き留めておく帳簿」のこと
銀行の通帳をイメージしてください。
- 1月1日:給料 50万円入金 → 残高:50万円
- 1月5日:家賃 10万円支払い → 残高:40万円
- 1月10日:食料品 1万円支払い → 残高:39万円
- 1月20日:給料 50万円入金 → 残高:89万円
このように、毎日のお金の出入りを記録し、「今いくら持っているか」を管理するのが台帳です。

ところが、銀行の通帳には大きな問題があるんだよ。
それは、「その台帳を銀行が一社で独占管理している」という点です。
この構造には、次のようなリスクが生まれます。
- リスク1:銀行を信じるしかない→ もし銀行が残高を書き換えてしまっても、利用者側では確かめようがありません。
- リスク2:銀行が倒産したときの不安→ 実際に、過去の金融危機では、銀行破綻で預金者が損をしたケースもあります。
- リスク3:ハッキングリスク→ 銀行がハッキングされてデータが改ざんされても、「問題ありません」と言われてしまえば、真実を知る術がない場合もあります。
このように、従来の「中央集権型の台帳」には、構造的なリスクがあるといえるでしょう。
この問題を解決するために生まれたのが、「分散型台帳」という考え方です。
「銀行を信頼しなくてもいいように、世界中のみんなで同じ台帳を持ち、みんなで監視する仕組みを作ろう」
この発想から、ブロックチェーン(分散型台帳)が誕生しました。
違いをまとめると、次のようになります。
- 銀行→ 1か所の中央サーバーに台帳を保存
- ブロックチェーン→ 世界中の数千〜数万台のコンピュータが、同じ台帳をそれぞれ持っている
さらに、各ブロックは前のブロックの「指紋(ハッシュ値)」をコピーしており、チェーンのようにつながっています。
ハッシュ関数とは、どんな長さのデータを入力しても、必ず同じ長さの「ハッシュ値」と呼ばれる値を出力する関数
ここでいう「指紋(ハッシュ値)」は、人間の指紋とよく似たイメージです。
- 世界中の誰一人として、まったく同じ指紋を持っていない
- 指紋が分かれば、その人を特定できる
ブロックチェーンのハッシュ値も同じです。
- ブロックの中身が少しでも変わると、ハッシュ値は大きく変化します
- 正しいハッシュ値が分かれば、そのブロックが改ざんされていないと確認できます
この仕組みによって、「特定の銀行を信頼する」のではなく、「プログラムの計算結果を信頼する」世界が実現します。
プログラムは恣意的に書き換えられず、コンピュータはその指示どおりに動くだけです。
イーサリアムとリップルの技術的な違いをより深く理解するには、「コンセンサスメカニズム(取引の検証方法)」の違いも押さえておくとよいです。
イーサリアムは、かつてビットコインと同じ Proof of Work(PoW) という方式を採用していました。
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)は、ビットコインなどの仮想通貨で採用されている、ブロックチェーンのセキュリティを維持するためのコンセンサスアルゴリズム(合意形成の仕組み)のこと

これは、マイナーが複雑な数学問題を解く競争で、取引記録を追加する権利を獲得する仕組みなんだよ。
しかし、2022年9月の大型アップグレード「マージ(The Merge)」によって、イーサリアムは Proof of Stake(PoS) へと移行しました。
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)は、仮想通貨のブロックチェーンで、新しいブロックを「誰が作るか」を決めるためのルール
PoSを採用している通貨をステーキングすることで、ネットワークの安全性や処理の正しさに貢献できるんです。
そして、その対価として新しい仮想通貨や手数料の一部を受け取れるようになっています。
一方、リップルはProof of Consensus(PoC)という独自メカニズムを採用しています。
PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)とは、信頼できる特定のノード(バリデーター)が取引の承認を行う仕組みで、合意形成のためのコンセンサスアルゴリズムのこと
国際送金インフラとして、「スピード」と「確実性」を重視した設計といえるでしょう。
イーサリアムのブロック生成時間は約12秒で、ビットコインの10分と比べるとかなり短くなっています。
リップルはブロックという概念ではありませんが、取引はおよそ4秒ほどで確定し、さらに速い決済を実現しています。
用途とエコシステムの違い
| 比較項目 | イーサリアム | リップル |
| 主な用途 | スマートコントラクトを使った分散型アプリのプラットフォーム(DeFi・NFT・ゲーム・分散型SNSなど) | 国際送金・銀行間決済に特化した決済インフラ |
| プログラミング能力 | チューリング完全で、理論上あらゆるロジックをプログラム可能 | 用途は送金・決済が中心で、プログラムの柔軟性は限定的 |
| エコシステム | 多様なサービス・dAppsがイーサリアム上で展開されている | SWIFT代替として、世界の銀行・送金事業者・投資会社との提携が進む |
イーサリアムは、スマートコントラクトを使ってさまざまなアプリケーションを動かせる「プラットフォーム」です。
この仕組みを土台として、次のようなサービスがイーサリアム上で展開されています。
- 分散型金融(DeFi)
- NFTマーケット
- ブロックチェーンゲーム
- 分散型SNSやソーシャルメディア など
イーサリアムは「チューリング完全」と呼ばれる性質を持っており、理論上あらゆるロジックをプログラムとして表現できます。
一方で、リップルの主な用途は「国際送金」と「銀行間決済」にほぼ絞られています。

しかし、この“特化”している点が、むしろ強みになっているんだよ。
既存のSWIFTシステムなどの代替候補として、世界中の金融機関から注目されているからです。
- Google Venturesなどの大手投資会社
- 各国の銀行や送金事業者
こういったプレイヤーがリップルと提携し、実際の商用利用も進んでいます。
その結果、リップルは「実用面で評価されているプロジェクト」として位置づけられているといえます。
発行上限と供給の違い
| 比較項目 | イーサリアム | リップル |
| 発行上限 | 発行上限なし | 1,000億XRP |
| 供給ルール | 分散型アプリのプラットフォームとして設計され、ネットワーク維持のため柔軟な供給を重視 | 追加発行は今後なく、総量1,000億XRPの範囲でのみ流通 |
| 供給調整の仕組み | 取引時の「基本手数料(Base Fee)がバーンされ、市場から恒久的に消滅 | 約500億XRPをリップル社が保有し、ロックアップにより毎月3~5億XRPを上限に段階的放出 |
暗号資産の「希少性」は、価格にも大きく影響します。
そのため、発行上限や供給のルールも、重要な比較ポイントになります。
イーサリアムにはビットコインのような「明確な発行上限」はありません。
これは、イーサリアムが単なる通貨というよりも、「スマートコントラクトを基盤にした分散型アプリケーションのプラットフォーム」として設計されているためです。
創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、
「ネットワークを長期的に発展させるには、柔軟な供給が必要だ」
と考えました。
具体的には、各取引で発生する「基本手数料(Base Fee)」がバーンされ、市場から恒久的に取り除かれていきます。
リップル(XRP)は、発行上限があらかじめ 1,000億XRP と決められており、そのすべてがすでに発行済みです。
そのうち、約半分にあたる 500億XRP前後 をリップル社が保有しています。
ここで、こんな不安を感じる方もいると思います。
もしリップル社が保有分を一気に市場に流せば、価格が暴落してしまうおそれがあります。
その懸念に対応するために導入されたのが、「ロックアップ」という仕組みです。
ロックアップとは、株式の新規公開(IPO)前に、大量の株式を保有している既存株主が、一定期間その株を売却できないよう制限される仕組みのこと
たとえば、リップルのロックアップでは、市場に大量の通貨を一気に放出するのを避けるために、一定期間その通貨を凍結し、売買できないようにすることです。
実際には、毎月およそ3〜5億XRPほどを上限として、市場に徐々に放出する形がとられています。
このような供給戦略の違いから、
- イーサリアムはより流動性がある
- リップルはより安定性がある
という投資特性の差が生まれています。
イーサリアム、リップルのどちらに投資すべきか?
「イーサリアムとリップル、どっちを買えばいいの?」と迷う方は多いと思います。

とくに、これから仮想通貨を始める人にとっては、どちらを選ぶべきか判断しにくいですよね。
さらに、ネット上には両方を推す情報がたくさんあり、逆に決めづらくなることもあります。
そこで今回は、考えるポイントを次の3つに絞ってまとめました。
- NFTやブロックチェーンに興味があるならイーサリアム
- 国際送金システムの実用性に期待するならリップル
- 「両方のメリットを取りたい」なら両方保有を選ぶ
まず押さえておきたいのは、「どちらが正解か」は人によって変わるという点です。
このあと、それぞれの特徴をわかりやすく説明していきますね。
NFTやブロックチェーンに興味があるならイーサリアム

イーサリアムは、単なる仮想通貨というより、「開発のための土台」として使われているプラットフォームになります。
すでにイーサリアムのネットワーク上では、DeFi(分散型金融)、NFTの売買、ブロックチェーンゲーム、メタバース関連サービスなど、さまざまなサービスが動いています。
その根底にあるのが、「チューリング完全」という性質です。
チューリング完全とは、スマートコントラクトが「ほとんどどんな計算でもできる能力を持っている」という意味

実際に、多くの開発者や企業がイーサリアムを採用し始めており、その流れは今も強まっているんだよ。
さらに、イーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行によって、「ステーキング」という運用方法も利用できます。
ステーキングは、持っている仮想通貨を一定期間預けることで、ブロックチェーンの運営に参加し、その見返りとして報酬がもらえる仕組みのこと
一定期間ETHを預けることで、利回りが得られる仕組みです。

2025年11月時点では、ステーキングの年利は最大2.82%なんだよ。
加えて、ビットコインと同じように、イーサリアムにも「現物ETF」が登場しました。
2025年11月時点で、イーサリアム現物ETFの運用資産は約191億5,000万ドル(約2兆9,700億円)に達しています。
この特徴がETFへの資金流入を後押しし、価格の下支えにもつながっています。
気になった方は、イーサリアム関連の記事もあわせてチェックしてみてください。

国際送金システムの実用性に期待するならリップル

リップルは、こちらも単なる仮想通貨ではなく、「世界中の銀行をつなぐ国際送金インフラ」としての役割を担っています。
その中でも、特に重要なのがリップルの「ブリッジ通貨」という役割です。
ブリッジ通貨とは、異なる国の通貨(日本円とアメリカドルなど)を結ぶ「橋」のような役割を担う通貨のこと
リップル(XRP)がこの「橋」になることで、これまで複雑だった両替プロセスを一気にシンプルにできます。

しかし、リップルを利用すると、わずか数秒、目安として約4秒で送金が完了するだよ。
実際に、次のような大手金融機関がリップルとの提携や導入を進めています。
- 三菱UFJ銀行(日本):リップル技術を使った国際送金システムを構築中
- SBIグループ(日本):「SBI Ripple Asia」を設立し、アジア各国の銀行と連携
- サンタンデール銀行(スペイン):リップルを使った送金アプリ「One Pay FX」を提供
- バンク・オブ・アメリカ(アメリカ):リップルとパートナーシップを締結
- スタンダードチャータード銀行(イギリス):リップルを使った送金の実証実験を実施
こうした動きを見ると、リップルは「いつか使われるかもしれない技術」ではなく、「すでに実用段階に入っている仕組み」と言えます。
さらに、リップルにはもう一つ強みがあります。
それが、規制当局との関係が比較的安定している点です。
2023年7月には、SEC(米国証券取引委員会)との長期訴訟で「XRPは有価証券ではない」という判決を獲得しました。
2025年3月には上訴取り下げが見込まれ、規制リスクもほぼ解消される見通しです。
加えて、リップルが採用する「Proof of Consensus(PoC)」は、高速性と安定性を優先して設計された仕組みです。
イーサリアムの「未来への期待」に惹かれる人もいれば、リップルの「いま使われている実用性」に魅力を感じる人もいます。
どちらか一方ではなく、両者はむしろ補い合う存在と考えるといいかもしれません。
「両方のメリットを取りたい」なら両方保有を選ぶ

イーサリアムは、「技術革新と将来の成長」を期待される成長資産として注目されています。
一方でリップルは、「国際送金システムの実用化」という現場寄りの価値を持つインフラ資産として評価されています。
たとえば、片方の価格が下がっても、もう片方が上昇していれば、損失の一部をカバーできる可能性があります。

こうした“補い合う関係”は、投資初心者にとっても安心材料になりやすいポイントなんだよ。
「値動きの理由が違う」という特徴が、分散投資の効果を高めているとも言えます。
そのため、ビットコインが大きく動いたタイミングでは、イーサリアムとリップルも似たような値動きをしてしまうケースもあります。

ただし、重要なポイントとして、イーサリアムとリップルでは「下落のしかた」が違うことがあるんだよ。
市場全体が不安定なときでも、リップルは国際送金という明確な実用性があるため、イーサリアムに比べて下落幅が小さくなる傾向が見られることもあります。
特に初心者の方には、第1段階として「イーサリアム50%+リップル50%」という構成で、最低3年以上の運用実績を積んでから、次の銘柄を検討することをおすすめします。
ポートフォリオを組む際、この2つをバランスよく保有しておくことは、長期的な資産づくりにおいて非常に大切な戦略です。
イーサリアム、リップルの買い方・投資方法
「どの取引所を選べばいいのかわからない」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

おすすめの取引所は、「コインチェック」だよ
累計ダウンロード数は700万件を超えており、仮想通貨取引が初めての方でも、迷わず口座を開設できます。
また、コインチェックで取引すれば、イーサリアム、リップル両方購入できます。
コインチェックで口座を開設する

おすすめの国内取引所の中でも、Coincheck(コインチェック)は初心者に最適な取引所として推奨されています。
まずは、コインチェック公式サイトにアクセスして口座を開設しよう。
コインチェック口座手順は以下の通りです。
- アカウントを登録する
- 本人確認書類を提出し、本人確認を完了させる
- 日本円を入金し、取引を開始する
購入資金を入金する
口座解説が完了したら、実際に日本円を入金してみましょう。
Coincheckでは、以下の3パターンで日本円を入金することができます。
- 銀行口座入金
- コンビニ入金
- クイック入金
クイック入金(ペイジー決済)とは、24時間365日決済できるサービスで、パソコンやスマホ、ATMを利用して入金を行うことができる。

この記事では、入金方法として「銀行振込」をオススメしています。
具体的な手順については、以下でご案内します。


※通常は、入金が反映されるまでに5分から10分ほどかかります。
イーサリアム、リップルの値動きを分析する
購入資金の入金が完了すれば、いつでも取引を始めることができます。

というのも、イーサリアム、リップルに限らず、仮想通貨への投資には価格変動による損失リスクが常に伴うんだよ
まずは、取引ツールに備わっているチャート機能を活用し、「イーサリアム」、「リップル」の価格推移をしっかりと分析しましょう。
なお、描画ツールやテクニカル指標が充実しているコインチェックの取引ツールを使えば、値動きをより細かく分析できます。
日本円を入金し、取引を開始する
日ごろからイーサリアム、リップルの価格をチェックしていて、「今がチャンスかも!」と思ったら、購入を検討してみましょう。
初心者の方におすすめなのは、まずは「成行注文(ストリーミング注文)」です。
成行注文(なりゆきちゅうもん)は、仮想通貨や株式などの取引において、価格を指定せずにその時点の市場価格で即座に売買を行う注文方法

買いたい数量を入力して、ボタンを押すだけなので、とっても簡単なんだよ。
ただし注意点もあります。
スプレッドとは、売値と買値の価格差のことを指し、ユーザーが仮想通貨取引所に支払う実質的なコスト
「できるだけおトクに買いたい」という方には、現物取引(取引所形式)がおすすめです。

他のユーザーと直接売買できるので、スプレッドを抑えた価格で取引できるんだよ
このあと、現物取引の具体的なやり方をわかりやすくご紹介していきますね。
Web版にログインできたら、「現物取引」まで画面をスクロールし、「XRP(リップル)」または「ETH(イーサリアム)」に切り替えてください



イーサリアムとリップルに関するよくある質問Q&A
- イーサリアムとリップルの違いは何ですか?
-
イーサリアム(ETH)は、「開発プラットフォーム」として誕生した暗号資産です。
ネットワーク上ではスマートコントラクトという自動で動く仕組みを使い、dAppsやNFT、DeFiなど多くのサービスが生まれています。
つまり、イーサリアムは「何でもつくれる土台」としての側面が強い暗号資産になります。
一方で、リップル(XRP)は「国際送金インフラ」を目的として開発されました。
お金を国境を越えて、素早く、低コストで、正確に届けることに特化しています。
すでに世界各国の金融機関がリップル技術の導入を進めており、実用段階に入ってきました。
まとめると、
- イーサリアム=用途が広い「プラットフォーム」
- リップル=送金に強い「専門ツール」
こんなイメージで捉えると分かりやすいと思います。
- イーサリアムとリップル、どちらを買うのがおすすめですか?
-
NFTやブロックチェーンそのものに興味があるなら、イーサリアムの方が向いています。
イーサリアムを中心としたDeFi市場は、現在の約800億ドルから、将来的に1兆ドル規模へ成長する可能性も語られており、伸びしろが期待されています。
一方、国際送金の分野での実用性に期待するならリップルが候補になります。
2025年3月にはSECとの訴訟が完全決着する見通しで、規制リスクが解消される可能性が高まっています。
その後は銀行による本格導入が進むと見られており、実用面の期待値はかなり高いと言えます。
ただ、リスクを抑えたい方には「両方に分散して投資する」という選び方が一番現実的です。
イーサリアムは
- 成長性
- 技術の広がり
に強みがあり、
リップルは
- 実用性
- 金融インフラとしての安定感
に魅力があります。
この2つをバランスよく持つことで、安定性と成長性の両方に期待できる投資スタイルが実現します。
まとめ
イーサリアムとリップルは、設計の目的も使われ方も、投資としての特徴もはっきり違う暗号資産です。
そのため、「どちらが優れているのか」という問いに一つの答えはありません。
どちらを選ぶにしても、まず意識したいのは、自分自身でしっかり調べて判断する姿勢です。
少しでも興味が湧いたら、まずはイーサリアムやリップルを少額から試してみてください。

始める一歩が、将来の資産づくりにつながるんだよ。
コインチェックでは、500円から購入が可能で、セキュリティ対策やカスタマーサポートにも力を入れています。そのため、仮想通貨初心者でも安心して利用できます。