自分だけ仕事量が多いと感じるのは勘違い?忙しいを解消する方法3選
「毎日の仕事で『自分だけ仕事量が多い』と感じることはありませんか?
多くの人が同じように感じていますが、実は、その感覚は勘違いかもしれません。
「そんなはずはない!」と思うかもしれませんが、実際には、同僚も同じように忙しいかもしれないし、あなたの仕事の進め方に問題があるのかもしれません。今まで「忙しい」と思っていた仕事はそこまで忙しくない可能性は十分あります。
この記事で「自分だけ仕事量が多い」と感じる解消する方法を詳しく解説し、忙しい毎日を卒業できること間違いないでしょう。
この記事では、仕事の量が実際よりも多く感じられる原因を解説し、それを解消する方法を紹介しています。
と、その前に、自分だけ仕事量が多いと思っている人に共通しているのは「忙しい」、「時間がない」を言っていることです。
この現象の背後には、自分だけ仕事量が多いという勘違いがあると考えられるでしょう。
なぜ、「忙しい」、「時間がない」を言ってしまうのかを解説していきます。
忙しいアピールをしてしまう心理
多くの人が、「自分だけ仕事量が多い」という勘違いに基づいて、忙しいアピールをしてしまいます。
僕も、自然と「忙しい」と周りに言っていたよ
「忙しい」や「時間がない」などの、忙しいアピールをしてしまう心理の要因は以下の2つあります。
- 「自分は価値のある人間」であることをアピールできる
- 忙しいを言い訳にできる
これから、忙しいアピールをしてしまう心理について詳しく解説します。
「自分は価値のある人間」であることをアピールできる
忙しいアピールをしてしまう心理の1つ目は、「「自分は価値のある人間」であることをアピールできる」からです。
職場で自然と言ってしまっている「忙しい」、「時間がない」という言葉。
実は、この一言が、あなたの価値を周囲にアピールする強力なツールになり得ることをご存知ですか?
「ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために」の中で、
コロンビア・ビジネススクールのシルヴィア・ベレッツァらが行った研究で、少なくともアメリカでは、忙しいことは社会的なステータスの高さにつながるとの記述があります。
「雇用主やクライアントから価値を認められる人的資本(仕事の能力や野心)をもつ個人は、労働市場での需要が高く、供給は少ない。そのため、『自分は忙しい。休む間もなく働いている』というのは、『自分は求められる人材だ』とアピールしているのと同じということになる。その結果、まわりからも一目置かれるようになるのだ」
「忙しい」や「時間がない」と周りに伝えることで、「自分は必要な人間なんだ」と言っているのと同じなのです。そうすることで、自分自身の自尊心を保つことができます。
「忙しい」を言い訳にできる
忙しいアピールをしてしまう心理の2つ目は、「忙しいを言い訳にできる」からです。
次から次へと忙しく仕事を切り替えていく過程の中で、「大事な仕事をやらないといけない」と思うことはあるでしょう。
しかし、忙しくタスクをこなしていると、大事なことを考える暇がなくななります。
この忙しさは、重要な仕事を先延ばしにする絶好の口実になるのです。
「「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法」の中でも、以下のような記述があります。
人間は本当に重要だけれどもやりたくない仕事(頭を使わなくてはならない仕事)があるとき、単純な仕事(頭をあまり使わなくてもいい仕事)をすることで、ストレスから逃げようとする傾向がある。
大事なことをする前に違うタスクをしていれば、「もっと時間があればできたのに」という言い訳をすることができます。
忙しくこなすことで、言い訳をして自分を守るための手段でもあり、大事なことを考えるストレスから解放される手段でもあるのです。
この忙しいアピールは、
- 自分が価値ある人間であることを示す手段
- 様々なことを言い訳にする手段
として使われることが多いことがわかったと思います。
しかし、忙しいアピールをしてしまう心理と、自分だけ仕事量が多いと思ってしまう原因は、表面的には関連しているように見えますが、実際には異なる問題です。
つまり、忙しいアピールをしてしまう心理を知ったから自分の仕事量が多いのは勘違いだったとなるのは難しいでしょう。
では、自分の仕事量が多いのが勘違いかを知るためには、自分だけ仕事量が多いと思ってしまう原因を知るし必要があります。
自分だけ仕事量が多いと勘違いしてしまう原因3選
「自分だけ仕事量が多い」という感覚は、多くの人は一度は思ったことがあるでしょう。
しかし、この感覚はしばしば勘違いに基づいていることが多いのです。
「自分だけ仕事量が多い」という勘違いが生じる主な原因は以下の3つに絞られます。
- 他の人と比較してしまう
- 仕事量を全部やらないと思ってしまう
- 自己認識のズレ
知らず知らずのうちに、勘違いになる行動を取ることはよくあります。
なぜ、自分だけ仕事量が多いと勘違いしてしまうのかを詳しく解説していきます。
他の人と比較してしまう
自分だけ仕事量が多いと勘違いしてしまう原因1つ目は、「他の人と比較する」ことです。
自分だけ仕事量が多いと思うのは、”自分”と”比べる相手”がいるからです。その相手を基準にして多いのか少ないかを決めています。
基準にする相手として、
- 先輩、上司
- 同僚
の2つのパターンがあります。
1つ目の、「先輩、上司」に対しての比較です。
よくSNSで書き込みがされているのを目にすることが多いです。
例えば、
- 「全然仕事しないくせに、自分にばっか仕事を与えてくる」
- 「自分は簡単な仕事ばかりして、面倒くさい仕事ばっかり自分に押し付けてくる」
など、自分の職場の人から聞いたことはあるのではないでしょうか?
僕も、先輩に対して思っていたよ
「AI分析でわかった トップ5%社員の時間術」の中で、興味深いことが書かれているので、ちょっとこちらをみてください。
「残業が多くなる原因となっているのは誰だと思いますか?」という質問に対して、95%社員の67%が「上司」と回答しました。
なんと、半分以上が残業が多くなる原因を上司と答えているのです。まさに、上司や先輩に対して比較し、仕事量が自分だけ多いと感じるのは納得できます。
2つ目は、「同僚」に対しての比較です。
同僚に対しては、比較というより嫉妬でしょう。
例えば、
- 「あいつは上司から気に入られているから仕事が少ないんだ」
- 「あいつは上司から簡単な仕事しか渡されない」
など、仕事量が自分と同僚とでは明らかに違うと感じてしまうのです。
僕も、同僚が先輩に気に入られているから仕事が自分だけ多いと思っていたよ
そう感じると、「自分だけ大変な仕事ばかりだから忙しい」と思ってしまうのです。同僚に対して、「簡単な仕事ばかりでいいな」と嫉妬してしまうのも納得できます。
自分と相手を比較してしまうと、自分の方が仕事量が多いと思ってしまうことが多いのです。
仕事量を全部やらないと思ってしまう
自分だけ仕事量が多いと勘違いしてしまう原因2つ目は、「仕事量を全部やらないと思ってしまう」ことです
多くの人は「自分の仕事量は他の人よりも多い」と感じることはありますが、その中には勘違いだけではなく実際に仕事の量が多い人はいます。
例えば、同僚のA子の仕事量が3つで、自分の仕事量が6つとしましょう。
自分は6つに対して同僚のA子は3つしかしていないので、2倍の仕事量をしていると感じるかもしれません。
しかし、重要なのは”仕事の量”ではなく、”仕事の質”なのです。
自分の仕事量の6つの中で、本当に重要な仕事が何個あるのでしょうか?
もしかしたら、A子の3つの仕事は他の仕事もある中で絞った”重要な仕事”としましょう。そして、自分の6つは何も考えずに、ただやることリストに追加した”重要ではない仕事”だとします。
そうなったときに、自分はA子よりも仕事の量では多いですが、仕事の質の部分では自分の仕事はどうでも良いことばかりになっていませんか?
その一方で、A子は重要なことに時間を費やすことができます。その結果、重要ではない自分はどうでも良い仕事は終わるのに重要な仕事は終わらないですが、A子は重要な仕事が終わるのです。この違いは、自分は仕事を”全部やらないといけない”考えですが、A子は仕事を”見極めて全部はやらない”考えをしています。
ですが、効率的に業務を進めれば、全部やる考え方でも仕事は減っていくと思う人はたくさんいるのは事実です。
僕も、「全部やらないといけない」と思っていたよ
確かに、効率的に業務を進めていけば、仕事を半分の時間で終わらせることができるかもしれません。
しかし、実際は、効率的に仕事をすればするほど「もっとできる」となり、仕事は増え続け、余計に忙しくなるのです。
仕事が減ればまた新しい仕事が違うところからやってきます。その仕事を引き受ければ新しい仕事が増え、仕事量はどんどん膨れ上がり、終わらくなってしまう可能性があります。
この考えの違いからわかる最も重要なことは、仕事量が多いのは自分が引き起こしているということ。
その事実に気づけない人が多いのです。仕事量が多くするのも、少なくするのも自分次第で決まります。ということは、仕事が自分だけ多いと思っているのは自分で引き起こしてしまっているだけなのです。
自己認識のズレ
自分だけ仕事量が多いと勘違いしてしまう原因3つ目は、「自己認識のズレ」です。
「自分だけ忙しい」と感じる人は”自己認識のズレ”を引き起こしている人はかなり多いです。
自己認識のズレとは、自分で思っていることや感じていることが、実際の自分とは少し違っていること
例えば、同じことを聞いて、同じ目的について考えたときに、自分で思っていること相手が思っていることが違うことです。
自己認識のズレが生じると以下のように感じてしまうことがあります。
- 自分だけが特別に多くの仕事を抱えている
- 同僚や先輩がやっている仕事が自分よりも楽に感じてしまう
僕も、「自分だけ忙しい」と常に思っていたよ
実際のところは、他の人から見たときに、仕事の量が適正であったり、逆に少ないかもしれません。
ですが、自分は他の人よりも仕事量を多くこないしていると感じてしまうのです。
こんな実験(※1)があります。
実験では、「思考」(実行機能)、「記憶」、「視覚ー知覚」の分野で、人々が自分の認識能力をどのように自己評価しているのかを調査した
この研究結果として、年齢関係なく、自分のパフォーマンスを他の人よりも客観的に優れていると評価していることがわかったのです。
また、被験者に対して自分の運転能力をどのように評価するかを調査する実験(※2)があります。実験結果として、大多数の被験者は自分を平均的なドライバーよりも巧みでリスクが低いと考えていたのです。
ビックリしますよね!実際はそうでもなくても、自分の仕事量は他の人よりも多くやっていると過大評価してしまうのです。
自分だけ仕事量が多いと勘違いしてしまう原因3選を紹介しました。
もしかすると、すべての原因に当てはまっていた人もいるかもしれません。
次に、自分だけ仕事量が多い勘違いを解消する方法を解説します。
自分だけ仕事量が多い勘違いを解消する3つの方法
多くの人が「自分だけ仕事量が多い」という勘違いに悩まされていますが、実は、この問題を解消する方法は存在します。
自分だけ仕事量が多いという誤解を解消するための具体的な方法は以下の3つです。
- 他人と比べずに観察して良いところをマネする
- やるべきことを見極める
- 他人に作業時間を見積もってもらう
具体的な行動を取ることで「自分だけ仕事量が多い」という勘違いから脱出することができます。
それでは、1つずつ詳しく説明します。
他人と比べずに観察して良いところをマネする
自分だけ仕事量が多い勘違いを解消する方法1つ目は、「他人と比べずに観察して良いところをマネする」ことです。
どうして、他人と比べないと自分だけ仕事量が多い勘違いを解消することができるの?
それは、不満や嫉妬がなくなり、尊敬に変わるからだよ
同僚や先輩と比べてしまうと、どうしても自分だけ忙しいと感じてしまい、不満や嫉妬を引き起こしてしまいますよね。
そんなときにオススメな方法は、「他人の良いところを観察してマネをする」です。
すると、今まで他人に対して比べることで”不満や嫉妬”があったのに、観察してマネをすることで”尊敬”に変わります。
例えば、今までは、「自分よりも仕事の量が少ない」と感じていたのに、観察していると、他の人よりも工夫して考えながら仕事をして終わらせていたことに気づくでしょう。
そして、実際に良いことを取り入れてマネしてみると、業務をこなすスピードが上がり、自分の成長にも繋がることが多々あります。
他人と比べていたときは自分ばかり忙しいと感じてしまい仕事の量でしか見ていたのに、良いところを観察していると仕事の質に見え方が180度変わります。他人に対し、自分より仕事量が少ないと思っていたのは、その分だけ工夫しながら業務をこなしていたと感じ、自分だけ仕事量が多い勘違いに気づくことができるようになるのです。
比べるのではなくマネをすれば良いのは驚いたよー
これからは、良いところを観察してみるよ
やるべきことを見極める
自分だけ仕事量が多い勘違いを解消する方法2つ目は、「やるべきことを見極める」ことです。
どうして、やるべきことを見極めると自分だけ仕事量が多い勘違いを解消することができるの?
それは、実際のやるべきことが多くないことを知ることができるからだよ
すべてのタスクが同じ重要度を持つわけではありません。自分の仕事量が多いと感じる中でも、「重要ではないタスク」と「本当に重要なタスク」に分けることができます。「重要ではないタスク」、「重要ではないタスク」の両方をこなしていると、仕事量が多いと勘違いしてしまうことが多いです。
なら、「重要ではないタスク」と「本当に重要なタスク」を見極めるにはどうすればいいの?
まず、やるべきことを書き出して、その中から「本当にやらなければならないこと」を選び出すことが勘違いに気づくためは重要なのです。
すごく簡単そうに見えて、今まで”全部やらないといけない”と考えているとかなり難しい作業になります。
なぜなら、全部のタスクをやらないといけないと考える場合、何かを選ぶということは、他の選択肢を捨てないといけないからです。
実際にやるべきことを書き出してみると、「他の人に依頼できるタスク」や「意味がないが昔から続けているタスク」が見えてくることがあります。そのタスクはやることリストの中から削除しましょう。
なぜなら、「上司や同僚に仕事を頼まれた」、「みんながやっている」基準でやっているからです。ではなく、「これしかない」基準で決めることで、本当に重要なタスクが選ぶことができます。
実際に、やるべきことを見極めていくと、やるべきことが以前よりも少ないと感じるかもしれません。
ですが、その見極めた重要なタスクがこそが本来の仕事の量なのです。
今までは”全部やらないといけない”と思って忙しいと感じていたことが、やるべきことを見極めることによって、本来の仕事量を知ることできます。そして、今までの仕事の量は勘違いと認識することができるのです。
実際のやるべきことが少ないのは驚いたよー
これからは、やるべきことを見極めるよ
他の人に作業時間を見積もってもらう
自分だけ仕事量が多い勘違いを解消する方法3つ目は、「他の人に作業時間を見積もってもらう」ことです。
どうして、他の人に作業時間を見積もってもらうと自分だけ仕事量が多い勘違いを解消することができるの?
それは、客観的に判断できるからだよ
自分だけ忙しいと思っている人は、他の人が自分の作業時間を正確に判断できるとは思えないかもしれません。
しかし、実際には、意外にも正確に作業時間を推測することができるのです。
「YOUR TIME ユア・タイム 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」の中で、
大学生の被験者に対して、「他の学生の所要時間を推測してください」と指示した時の研究結果が書かれていたので引用します。
他者の時間を推測した学生は、適切な参照データがない状況でも、より現実に近い推定値を出せるようになったのです。
他の人に作業時間を見積もってもらうことで驚くべきこと起こります。それは、今までは、仕事量を他の人よりも多くこなしていると感じていたのに、他の人とあまり変わらない仕事量に気づくからです。逆に、他人の方が仕事量が多いと感じることも十分にあるでしょう。
今までは自分の思い込みに基づいて判断していたことが、他の人の視点から見た自分とは異なり、ギャップが存在することが分かるかもしれません。
ですが、そのギャップこそが自分だけ仕事量が多いと勘違いの原因となり、このギャップを素直に受け入れることが勘違いを解消する第一歩なのです。
他の人に見積もってもらうと客観的に判断できるんだー
これからは、他の人に作業の量を判断してもらうよ
自分だけ仕事量が多い勘違いを解消する方法3選を紹介しました。
実際には、職場の同僚や友人も同じように忙しく、自分だけが特別に多くの仕事をしているわけではありません。
まずは、この事実を認めることから始めましょう。
そして、自分の考え方を変えることが必要です。自分だけが忙しいわけではないという事実を受け入れることで、よりバランスの取れた職業生活を送ることが可能になり、「自分は価値のある人間」であることをアピールできます。
まとめ
今回は、「自分だけ仕事量が多いと感じるのは勘違い?忙しいを解消する方法3選」をご紹介しました。
自分だけ仕事量が多いと感じていた人でも、自分だけが仕事量が多いわけではないことがわかったと思います。
最後にご紹介したポイントを下の図解でまとめました。
ぜひ、3つ方法を活用して実際に行動してみましょう!