仕事ができないのにできると思っている人の特徴4選と最強の対処法!
職場で自分の能力を正確に把握し、適切に評価することは大切です。
しかし、「仕事ができないのにできると思っている人」がいると、理解が難しくなります。
彼らの誤解は、職場の成果や雰囲気に影響を与えることが多々あるでしょう。
そんな人がいる職場は嫌かもしれませんが、対処法を利用することで全然嫌にならなくなること間違いなしです。
この記事では、仕事ができないのにできると思っている人の心理的特徴を解説し、仕事ができないのにできると思っている人に対する対処法を解説します。
さらに、仕事ができないのにできると思っている人への具体的な対応策は、「部下」、「上司」に分けてより詳しく解説します。
まずは、自己過大評価について見ていきましょう。
自己過大評価とは
自己過大評価とは、自分の能力や成果を実際より高く見積もる心理現象です。
この傾向は、「仕事ができないのにできると思っている人」に顕著に見られ、新人から上位の職位にいる人まで、職場で広く見られる問題です。
この現象は研究結果からも明らかです。
「insight いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」によれば、サンフランシスコのベイエリアで働く1000人近くのエンジニアを対象とした調査結果が記載されています。
三三パーセント以上の人が自らのパフォーマンスを上位五パーセントに位置づけ、勇敢にも自身を平均以下に位置づけたのはたったひとりだった。
また、「insight いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」には別の有名な研究も紹介されています。
九四パーセントもの大学教授が、自分の仕事ぶりが平均以上だと考えていた。
このように、多くの人が自分を過大評価していることが分かります。
自分のことをできると思っている人ってどんな特徴があるの?
これから、自分のことを過大評価している人たちについて詳しく解説していきます。
仕事ができると思い込む心理的特徴4選
職場において、自分の能力を正しく評価することは非常に重要です。
しかし、「仕事ができないのにできると思っている人」がいることも珍しくありません。
このような誤った自己認識を持つ人がいると、様々な問題が生じることがあります。実際には、このような人々にはいくつかの共通点があります。
仕事ができないのにできると思ってしまう人の心理的特徴は以下の4つです。
- 仕事ができないないのにできていると思ってしまう
- 少し経験や学んだだけでプロや専門家と思ってしまう
- 関係ないのに批評する
- 権力がある
これから、1つずつ詳しく解説します。
仕事ができないないのにできていると思ってしまう
仕事ができると思い込む心理的要因1つ目は、「仕事ができないないのにできていると思ってしまう」です。
例えば、
周りからは明らかに仕事ができていないのに、自分は仕事をうまくこなしている
と思い込む上司が、どこの職場にもいるのではないでしょうか。
このような現象を「ダニング=クルーガー効果」といいます。
ダニング=クルーガー効果とは、自分の知識や能力が不足しているにも関わらず、それを自覚せずに自分を過大評価してしまう心理的な現象
二人の心理学者のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーよる研究で、この効果が広く知られるようになりました。
研究結果(※1)として、ユーモア、理論的推論、英語文法で3つテストのスコアが低い人ほど、自分の能力を過大評価しがちであることが示されています。
このダニング=クルーガー効果によって、実際には仕事ができていないのに自分はできていると思い込んでいる人が職場には多くいます。
彼らは自分のスキルや成果が全然ないにもかかわらず、実際よりも高く評価し、結果として過信に陥ってしまいます。
少し経験や学んだだけでプロや専門家と思ってしまう
仕事ができないのにできると思っている人の特徴の2つ目は、「少し経験や学んだだけでプロや専門家と思ってしまう」です。
例えば、
- 新入社員から半年ぐらい経験を積んだだけで、「自分はビジネスのプロ」と過信してしまう
- プロジェクトに少し関わっただけなのに、「自分はプロジェクトのことは十分理解している」と過信してしまう
など、このような人は、どの職場にも少なくとも一人は存在します。
このように、わずかな経験や学びで「自分は仕事ができる」と錯覚すると、気づかずに「マウント・ステューピッド」のてっぺんにいることがあります。
マウント・ステューピッドを簡単にまとめると、少し知識を得たり学んだ直後に、自分がその分野の専門家だと錯覚する状態のこと
「マウント・ステューピッド」のてっぺんにいる状態とは、自分がすべてを理解していると思い込んでいますが、実際にはまだ学ぶべきことがたくさんあります。
しかし、この状態に気づかず、さらなる学びを求めなくなってしまいます。
結果として、仕事ができないにもかかわらず、できるかのように振る舞い続けることになります。
関係ないのに批評する
仕事ができないのにできると思っている人の特徴の3つ目は、「関係ないのに批評する」です。
例えば、
- プロジェクトに直接関わっていない部署の社員に「そのプロジェクトはダメだ」と言われてしまう
- 技術的に詳しくない人に「もっとこうすべきだ」と言われてしまう
など、職場には必ずいる嫌な人ですよね。
このように、直接関係がないにもかかわらず意見や批評をする人は、「アームチェア・クォーターバック症候群」の傾向があります。
アームチェア・クォーターバック症候群を簡単にまとめると、自分が実際に関わっていない状況や問題について、詳しくもないのに意見や批評する人のこと
アームチェア・クォーターバック症候群を具体的にすごくわかりやすく例えると、スポーツを観戦しているときに、プレイしている選手や監督よりも知識があるかのようにヤジや戦略に口を挟む人がこれにあたります。
この傾向がある人は、仕事中にも自分が中心プレーヤーであるかのように振る舞います。
しかし、実際には中心プレーヤーではないことに気づいていません。
そのため、自分ができないことにもどんどん口出ししてしまうのです。
権力がある
仕事ができると思い込む心理的要因の4つ目は、「権力がある」です。
例えば、仕事を全くしない上司から指示だけされた経験は、一度はあるでしょう。
「insight いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」によれば、役職が高い人ほど、自分の能力を高く見積もる傾向があるといいます。
たとえば管理職や現場リーダーに比べて、重役たちの方が、自分の共感力や、順応性や、コーチング力や、協調性や、(皮肉なことに)自己認識の能力を実際よりも遥かに大きく見積もっている。だかさらにショッキングなのは、経験の少ないリーダーに比べて、経験豊富なリーダーの方が自身の能力を過剰に見積もる傾向にあるという点だ。同じように、年配のマネージャーの方が、若いマネージャーに比べて、自分の能力を上司からの評価以上に見積もる傾向がある。
このように、権力が高まるほど、自分の仕事を過大評価する傾向があります。
職場で自己過大評価を発揮すると起こること
職場で仕事ができないのにできると思っている人がいる場合、様々な問題を引き起こす可能性があります。
「insight いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」の中で、
職場で自己過大評価する人がいたときに起こることについて記載されています。
たとえば職場で従業員たちが自己認識を欠いていると、チームのパフォーマンスが下がり、平均で三六パーセントも判断の質が低下し、四六パーセントも協調性が低くなり、衝突が三〇パーセントも増す。全体としては、自己認識が欠如した従業員の数が多い企業の方が業績が悪くなる。
それだけではなく、ダニングによる2015年の研究(※2)では、自分と他の人の能力を間違って評価することで、他の人が自分より優れたパフォーマンスを見逃し、自分が他の人より優れていると思い込む可能性があることが指摘されています。
このように、職場で自己過大評価をしている人がいるとたくさんの問題が引き起こされます。
どうすれば、仕事ができないのにできると思っている人がいたら対処できるの?
これから、仕事ができないのにできると思っている人の対処方法を説明しますが、重要なことは自分の立場からの目線。
つまり、自己過大評価する人への対応は、その人が上司か部下かで変わります。上司と部下へのアプローチ方法は全然違うので、状況に合った対処が必要です。
これから、これから、それぞれに効果的な対処法を詳しく見ていきましょう。
上司に対する対処法
「仕事ができないのにできると思っている人」上司に対しては「360度評価」が効果的です。
どうして、仕事ができないのにできると思っている上司に対して360度評価することがいいの?
それは、普段言出せない同僚や部下の意見を聞くことができるからだよ
これから、360度評価をすることの重要性と効果について、深く掘り下げてみましょう。
360度評価
360度評価を聞いたことありますか?
360度評価とは、上司だけでなく同僚や部下、時には顧客からもフィードバックを集めることで、個人の業務パフォーマンスや職務能力を多角的に評価する方法
では、なぜ仕事ができないのにできると思っている上司に対して360度評価が特に有効なのでしょうか?
その理由は、権力がある人は自分のことを高く評価しやすく、自分の考えばかりを重んじて、他人の提案や意見をなかなか受け入れないことが多いからです。
360度評価を使うと、上司はたくさんの人からのさまざまな意見を聞けるので、自分の行動や判断を振り返り、どこを改善すればいいかがわかります。
また、360度評価の良い点として、普段は言いにくい意見も匿名性を保持しながら伝えることができるため、部下や同僚からの本音を引き出すことができることです。今まで上司に対し、躊躇して言えなかった部下や同僚の人も、普段思っていることを言えるようになります。
これにより、上司は自分に対する直接的なフィードバックを受けることができ、改善のための具体的なアクションを起こしやすくなるでしょう。
結果として、自己の向上心や改善への意欲が促され、職場全体のコミュニケーションの質が向上する可能性が高まるのです。
部下に対しての対処法
「仕事ができないのにできると思っている人」部下に対しては「フィードバック」が効果的です。
どうして、仕事ができないのにできると思っている部下に対してフィードバックすることがいいの?
それは、現状を受け止めて前に進めるからだよ
これから、フィードバックをすることの重要性と効果について、深く掘り下げてみましょう。
フィードバック
仕事ができない部下が上司に対して、フィードバックをなかなか自分から求めることはできません。
その理由は、フィードバックに対して防御的な姿勢を取りがちであり、「フィードバック=否定的な評価」と捉えてしまうためです。
しかし、全てのフィードバック、たとえ否定的なものであっても、受け入れることで自分自身について深く理解し、成長する絶好の機会になります。
「insight いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」の中でも、フィードバックについての研究結果が記載されています。
高い成果を出す一流のリーダーたちの八三パーセントが、定期的にフィードバックを求めていた。それに対し、パフォーマンスの低いリーダーは、フィードバックを求める割合がわずか一七パーセントだった。むしろ、批判的なフィードバックを求めた方が、社会的にも職業的にも見返りがある。フィードバックを求めるリーダーは、自らの上司たちだけでなく、同僚や部下たちからも、より優れたリーダーだと見なされている。
この研究結果からも、フィードバックが自分を成長を手助けしてくれるは明らかです。
しかし、実際には多くの部下がフィードバックを積極的に求めることはありません。
これに対処するため、定期的にフィードバックの機会を提供することが求められます。
このサポートにより、部下はフィードバックの受け入れが自己成長にどう貢献するかを徐々に理解し、積極的にフィードバックを求めるようになるのです。
「上司」、「部下」に対する対処法をご紹介しました。これらの策はすぐに結果が出るわけではありません。初めは受け入れがたいかもしれませんが、何回かトライするうちに変わり始めるはずです。
この方法を続ければ、相手も次第に心を開き、真摯に仕事に取り組むようになります。
ぜひ試してみましょう。
まとめ
今回は、「仕事ができないのにできると思っている人の特徴4選と最強の対処法!」をご紹介しました。
仕事ができないのにできると思っている人の考え方を理解し、彼らが自分の状況を自覚できるような対処法を紹介しています。
記事の最後で、主要なポイントを図でわかりやすくまとめたので、ぜひ見てください。
これらの対処法を日常生活で使って、実際に試してみることをおすすめします!